CAREER 仕事とキャリアを知る

ホテル事業 リッチモンドホテル
天神西通 総支配人
横川 将大 SYODAI YOKOGAWA
2015年入社

全ての経験が力になる。
挫折を乗り越え、ホテルの総支配人へ。

ホスピタリティの芽生えは、たったひとつの言葉から。

大学時代は、食品系の企業を中心に就職活動を進めていました。ロイヤルホールディングスへ入社したのは、当時のリクルーターの方の対応や社風に惹かれたからという理由もあったのですが、一番の決め手は両親の反応でした。当社の内定を報告した際にひときわ喜んでくれて、私もなんだか自分の成長を認められたようで、とてもうれしくなったのを覚えています。幼少期から家族でよくロイヤルホストを利用していたので、両親としても非常に親しみ深い思いがあったのかもしれません。

入社後の研修では、8ヶ月間にわたりさまざまな職場を経験。この期間に得たものがいまの自分を形成していると感じる部分も多く、ひとつの経験、ひとつの言葉から数多くのことを吸収していました。特に覚えているのが、当時放送されていたサービス業が舞台のTVドラマ(ホテルコンシェルジュ)。その作中に出てくる、「絶対にNOと言わない接客」というフレーズです。

研修中、空港内のレストランに勤務していた際、とあるお客様がケチャップをお求めになったことがありました。しかし、当店舗では提供用の調味料を常備していません。そこで、例の「絶対にNOと言わない接客」という言葉をふと思い出し、隣のロイヤル系列店のカフェにてケチャップを拝借し、そのお客様にお渡ししました。自分としては些細な行動だったのですが、お客様が退店される際に「感動しました」というお言葉とともに、一枚の紙にびっしりと書かれたメッセージを手渡してくださりました。私は思わず感激してしまい、その瞬間自分の中にサービス提供者としての自覚が芽生えるのを強く感じました。この出来事は、その後のキャリアの多くの場面で心の支えとなってくれています。

ホスピタリティの芽生えは、たったひとつの言葉から。

プレイヤーから支配人へ。立ちはだかった大きな壁。

2020年、世界中に広がった感染症の波は、日本のホテル業界にも多大な影響を及ぼしました。リッチモンドホテルでは、その一部を患者の受け入れ施設として提供するなど、緊急事態時の支援に貢献。私も大阪のなんば大国町に勤務した時には、公的機関との連携や患者の支援に努めました。

その直前に担当していたのが、盛岡でのホテルの新規開業です。自粛要請に伴い客室の稼働が大幅に減少するなかで、運営コストを削減する試みとして、マルチタスクというシステムが採用されました。1人のスタッフがフロントやレストラン、清掃といった全業務を担当する体制になり、当時はフロントチーフだった私が清掃や雑務にあたることもしばしば。しかしいま振り返ると、この経験が現場スタッフの大変さに歩み寄る姿勢を養ってくれたのだと感じています。

同じ時期に取り組んでいたもうひとつの挑戦が、宿泊支配人への昇格試験です。その試験に向けた研修への参加にも選考が実施されるのですが、私は本試験と合わせ計2回落選してしまいます。私の課題は、現場スタッフの視点から脱け出せていないという点にありました。面接時に聞かれた「従業員満足と利益、どちらを優先すべきか」という質問。これに対して、当時の私は真っ先に従業員の大切さを答えました。しかしこれは、ホテルを経営しようとする者の回答としては不適切です。なぜなら利益がなければ、従業員を守ることすらできないからです。ホテル経営を任される支配人としての視座を持つのであれば、前述している質問の回答として、どちらか優先順位を付けるのではなく、どちらも同じくらい大切であると回答をすべきでした。それからは、いちプレイヤーから経営者のマインドへと切り替えるべく、自分を見つめ直す毎日。落選時に受けたフィードバックをスマートフォンに保存して何度も読み返しては、日々の業務の中で自問自答を繰り返しました。

プレイヤーから支配人へ。立ちはだかった大きな壁。

手段ではなく、旅の目的地になるホテルを目指して。

その後、なんば大国町のホテルが通常営業を再開するにあたっての取り組みが評価されたこともあり、無事に宿泊支配人の昇格試験への合格を果たしました。そして現在は、地元福岡のリッチモンドホテル天神西通にて総支配人を務めています。これまでと大きく異なるのは、施設の経営に関する最終決定権や全ての裁量が自分にあるという責任感です。自らの判断でホテル全体の指揮を取るのは、やはりいちスタッフの頃とはひと味違ったやりがいがあります。と言いつつも、現場を担うクルー(アルバイト)とはいつも近しい距離でいたいというのが本音です。普段から「忙しそうな顔をしていてもいつでも話しかけてね」と伝えており、コミュニケーションを密に取ることを心がけています。

総支配人というポジションに就いてあらためて感じるのは、「ホテルのサービスは、接客ではなく接遇であるべき」という思いです。フロントでの対応やチェックインの案内といった単なる接客ではなく、お客様一人ひとりの気持ちに寄り添うことこそがサービスであり、私たちが発揮できる価値なのだと思います。福岡であれば、福岡のおいしいものを紹介する。現地の人にしか知り得ない観光地をご案内する。そういった心づかいが提供できるのが、ホテルで働く醍醐味でもあると感じています。

ホテルは通常、旅行や出張、ライブコンサートの際の足がかりとして利用されることが多いです。しかし私は、「このサービスがあるから」「あの人が働いているから」という理由で、旅の目的地として選んでいただけるホテルを作っていきたいと考えています。自分達が働く場所を、もっと特別な空間にする。そんな気持ちを持つことができれば、この仕事を大いに楽しむことができると思います。

手段ではなく、旅の目的地になるホテルを目指して。

学生の皆さんへの
メッセージ

私自身、学生時代は未熟だったなと思う点がたくさんあります。しかしこの会社で出会ったたくさんの人や言葉たちが、自分を大きく変化させてくれました。人との出会いや成長を大切にする方は、当社を選んで間違いないと思います。

入社からのキャリア

2015年入社
1年目4月
8ヶ月間のローテーション研修
1年目12月
リッチモンドホテル プレミア浅草へ本配属
2年目
リッチモンドホテル 横浜馬車道へ。フロントスタッフとして配属 フロントチーフへと昇格
3年目
リッチモンドホテル 東京芝へ配属
4年目
リッチモンドホテル 東京水道橋へ配属
6年目
リッチモンドホテル 盛岡駅前へ配属。開業から担当 宿泊支配人試験を受験するも不合格
8年目
リッチモンドホテル なんば大国町へ配属(陽性者受け入れ施設) 試験に合格し、宿泊支配人へと昇格
9年目
リッチモンドホテル 天神西通へと配属 総支配人へと昇格
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