100億円規模の売上を目指す冷凍食品ブランド
「ロイヤルデリ」
PROFILE
リン・
フォンション
2007年入社
大学で食品について学び、新卒入社。食品の品質管理を経験後、マーケティングに携わるため企画部門に。2019年12月に誕生した「ロイヤルデリ」に立ち上げから携わり、プロジェクトを推進している。
PROFILE
中谷 竜也
2014年入社
工場勤務を経て、社内システム担当に。2020年の7月から「ロイヤルデリ」のEC運用を担当し、リンと共に売上アップの施策などに取り組んでいる。
会社初の
冷凍食品ブランドを
立ち上げ
「ロイヤルデリ」は、ロイヤル株式会社が展開する冷凍食品ブランドである。ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」で使用する業務用の冷凍食品を、一般消費者向けにアレンジして展開している。一般消費者向けの商品販売は、ロイヤルホールディングス初の試みだ。2019年12月に、ドリアやカレーなど25品目を販売開始。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による宅食サービスの拡大などを背景に、急速に売上を伸ばした。
リン
ロイヤルデリは、ロイヤルグループの「レストランの味」を自宅で楽しんでいただきたいという思いで立ち上げました。今の社会ではおいしいものを食べたいけれど料理する時間がないという方も多いので、電子レンジで温めるだけでお店の味を楽しめる商品を目指しました。お店のメニューそのままではなく、電子レンジで温める際に加熱ムラが出ないよう、具材の位置を工夫するなど微調整をしています。
私はブランド立ち上げから携わり、販促にも取り組んできました。例えば、ECサイトに載せる写真の構図を決めて、外部のデザイナーさんのディレクションをするのも私の仕事です。
立ち上げ当初は「冷凍食品=安い」というイメージが根強くありました。味や品質にこだわっているため、価格が比較的高いロイヤルデリは、不利だという意見も少なくありませんでした。1度食べてもらえれば魅力は伝わると考え、手に取ってもらうために試行錯誤しています。
例えば、おいしさが伝わる写真の撮り方を模索したり、シェフのアレンジレシピ動画をSNSにアップしたりといったことをしています。EC運用担当の中谷やSNSの実務担当者、そしてシェフと一緒に、積極的に新しい施策にチャレンジしているところです。
ゼロからのスタート。
手探りで
ブランドを成長させる
ロイヤルデリは、「世界各国のおいしい料理を家にいながら食べられる」という新たなコンセプトを加え、2020年10月にリニューアルした。新メニュー25品目が増え、全50メニューまで拡大した。リニューアルの3ヶ月前、2020年7月に中谷がEC運用担当に就任。メニューの拡大に向け、より販路を広げ、売上を伸ばすためには、ECサイトの強化が不可欠だったからだ。アフターコロナによる売上減が心配されたものの、ECサイトをはじめとする地道なプロモーションが実を結び、売上は右肩上がりである。
中谷
私の役割は、システムの知見を活かし、ECサイトのバックグラウンドを見て売上アップの施策を進めることです。物流関連の知識は多少あるもののマーケティング経験はありません。マーケティング関連のセミナーの受講や独学でセオリーを学びつつ、業務に取り組みました。
全くのゼロからのスタートだったため、メールマガジンを送る・はがきを出す・次回使えるクーポンをつけるなど、リンをはじめみんなと話し合いながらさまざまな施策を試しました。特に成功した施策ははがきと福袋です。反響が良く、特に福袋は驚くほど売上が伸びました。また、ECサイトについても画面の構成を変えてABテストを繰り返し、より売上につながるサイトへと改善を続けています。
ECサイトだけではなく配送やお客様対応、広告出稿など全てが業務範囲です。学ぶことが多く大変ですが、みんなで協力しながら取り組むことで、ビジネスパーソンとしての知見が一気に広がりました。
リン
メニューの拡大を決めた理由は、ユーザーを飽きさせないようにするとともに、特別感を楽しめるようにするためです。コンセプトを「世界各国のおいしい料理を家にいながら食べられる」にしたのは、ロイヤルホストで毎年、世界の料理をメニュー展開していて、レシピや知見が蓄積されていたからです。
当時を振り返ると、商品を製造する工場やデザイン会社などとの調整、テレビ取材など非常に仕事量が多く、大変でした。広報の経験がなく部署内に聞ける人もいなかったので戸惑った部分もありますが、別部門の広報の人たちに助けてもらい乗り切れました。ロイヤルホストの店舗スタッフもチラシ配りに協力してくれ、ロイヤルグループ全体でブランドを盛り上げることができ、本当に感謝しています。やりがいも大きく、スキルも非常に伸びました。
将来の事業の柱となる
ブランドを目指し、
あらゆる施策に
取り組んでいく
ブランド立ち上げから約4年が経過。ロイヤルデリはさらなる成長を目指し、購買データの分析に基づいた戦略立案やギフト販売に注力している。売上も着実に上昇しており、将来的には事業の大きな柱となるべく更なる売上拡大を視野に入れている。ロイヤルホールディングス初の一般消費者向け冷凍食品ブランドとして、さらに飛躍していくだろう。
リン
今後ブランドをさらに成長させるために、3年間の購買データを分析し、どの商品に力を入れるかなどカテゴリを整理していきたいと考えています。売れ筋商品であるカレーや世界の料理はもちろん、今は弱いデザートも強化していきたいですね。
また、アフターコロナで、自分で食べる以外にも人に贈る需要が伸びていると感じ、ギフトにも力を入れています。デザイナーさんにお願いして贈り物にふさわしいデザインの箱を用意する、メッセージカードを入れられるようにするなど、さまざまな取り組みをしていく予定です。
ある程度の方針は決まっていますが、企画からマーケティング施策、ECサイトなど業務の多くを社内で行っていることもあり、裁量が大きく、スピーディーに施策を実行できるのでやりがいが大きい仕事です。これまでは実務に追われていてマーケティングを学ぶ時間がありませんでしたが、今後は勉強する時間をつくり、ロイヤルデリをより良いものにしていきたいです。
中谷
現在は、ギフト利用を促すために、専用ページの強化やトップページからギフトページへの動線の改善などに取り組んでいます。
来季の目標は、プラットフォームを改修し、より便利にお買い物していただけるECサイトにすることです。ゆくゆくは、ショップや百貨店での販売などより販路を広げられたらと考えています。売上がすぐに数字に出るため大変な部分はありますが、施策に反応があるとすごくやりがいを感じられます。
ロイヤルデリは売り上げを伸ばしてはいますが、まだまだスタートアップ。グループの売上の柱には、ほど遠いのが現状です。1つの食品メーカーとして成立するようなブランドに育てていきたいです。
学生へのメッセージ
リン
「飲食=大変」というイメージがあると思いますが、現場の経験を積むことでキャリアパスが大きく広がります。ジョブローテーションでいろいろな業務にチャレンジすることで、自分の本当にやりたいことが見つかり、管理職などいろいろな道が開けてくるはずです。
中谷
ロイヤルグループ全体でさまざまな事業を展開しているので、さまざまな仕事を経験してやりたいことを見つけたい方にはすごく良い環境です。私自身も、工場作業からシステム関連、現在の「ロイヤルデリ」のEC運用担当と幅広い業務を経験してきました。ジョブローテーション制度もあるので、働きながら柔軟にいろいろなことを吸収して、自分の道を見つけてください。