日本からアジア、そして世界へ。
困難を乗り越え海外事業を拡大
PROFILE
藤岡 聡
2005年入社
銀行やメーカーでの海外勤務を経験し、ロイヤルホールディングス入社。財務や広報・IR(投資家向けの広報活動)、機内食事業に携わる。2018年に海外事業開発部に異動。事業責任者として、グループ全体の海外展開を推進している。
PROFILE
劉 千春
2007年入社
高校時代に中国留学を経験。ロイヤルホストのアルバイトスタッフを経て、中国での出店担当者の公募に応募し正社員になる。その後、主に海外関連の業務などに携わり、2023年の10月に海外事業開発部に異動し、シンガポール・香港・中国を担当。
ロイヤルグループ
全体の
海外展開を統括する
海外事業開発部
ロイヤルグループでは、日本のマーケットの現状を踏まえ海外展開に力を入れている。さらに、フランチャイズだけではなく、直営の店舗を拡大していく方針だ。海外でのビジネスには、現地の言葉や文化などさまざまな壁が立ちはだかるもの。ロイヤルグループもこれまで、試行錯誤を重ねてきた。海外事業開発部は、グループ全体の海外展開を統括し推進する部署であり、海外進出において重要な役割を担っている。
藤岡
海外事業開発部は、現地パートナーの開拓や契約交渉、事業計画の立案などに携わり、事業展開の土台を整えたうえで、実際に事業を運営する人にバトンを渡す役割を担っています。フランチャイズに関しては、海外フランチャイズの担当者や現地のパートナーさんと連携しながら案件を進めるイメージです。本格的な海外事業の拡大を進めるにあたり、劉さんに海外事業開発部に戻ってきてもらいました。
劉
キャリアのスタートは、2007年に入社してすぐに携わった、中国北京・深圳への出店です。海外で仕事をすることも店舗の立ち上げも初めてで、苦労の連続でした。言葉や文化の壁を感じ、試行錯誤したのを覚えています。現地のニーズとのミスマッチもあり、比較的短期間で閉店し、海外事業の厳しさを感じました。
その後、2010年上海でのロイヤルホストの立ち上げに、社員教育と店舗運営、通訳の部分で携わりました。マネジメントできる人材を育てて軌道に乗せるまで、4年程現地に駐在しました。大変なことは多かったのですが、若いうちから裁量の大きな仕事を任され、自身のキャリアの糧になったと思います。その後、産休を経てインバウンドに関する営業企画、ロイヤルデリの内販・管理などを経験し、2023年10月に海外事業開発部へ異動しました。
現在は、シンガポール・香港・中国といった「天丼てんや」が営業している国に係る業務や海外事業に関する企画・管理業務を担当しています。店舗を運営しているパートナーさんとのリレーションシップマネジメントや、ビジネスプランの打ち合わせ、新たなビジネスの創出のための企画などが主な役割です。
ロイヤルグループの
海外事業に
大きな転機
2018年に海外事業推進の専任部署である海外事業開発部を設け、ロイヤルグループとして海外事業展開の積極化の一歩を踏み出した。そして、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大などの困難を乗り越えた現在では、香港・シンガポール・フィリピン・タイなどアジア各国に展開されている「天丼てんや」の拡大に加え、「ロイヤルホスト」などの他の業態やロイヤルグループが持つノウハウを活かした事業を海外で展開しようという取り組みを拡大している。
藤岡
「天丼てんや」は、ロイヤルグループの海外進出における強力な武器の1つだと考えています。特に2018年の終わりに香港がオープンすると、次はシンガポールと広がっていきました。私は現地のパートナー候補さんとの交渉や契約締結に携わっていますが、コロナ禍で一時動きは止まってはいましたが、香港やシンガポールのような世界の大都市にある「天丼てんや」を目にして自国でも展開したいと手を挙げてくる方が今でもいらっしゃいます。
「天ぷら」は日本食を代表するアイテムであること、海外には揚げ物を日常的に食べている国が多いこと、オートフライヤーを使用することで経験が浅いスタッフでも安定しておいしく調理できることから、「天丼てんや」が進出できる国はまだまだあると感じていますので、現地のお客様に受け入れられるような出店を続けていきたいです。
劉
私の仕事は現地のパートナーさんとのリレーションシップマネジメントがメインです。いただいたリクエストに対し、どのように対応するか社内でまとめる役割を担っています。海外事業の業務を遂行する中で一番大変なのは、日本では当たり前だと思っていたことでも、海外では当たり前ではなく言葉ではっきりと伝えないと理解してもらえない点です。文化によって違いは必ずあるので、そこをすり合わせなければいけません。
相手にとって全く分からないことをいかに伝え、妥協点を探していくかは、すごく苦労する部分であり、面白い部分でもあります。視野が広がりコミュニケーション能力も鍛えられ、本当に勉強になります。どの国でも、大変なことも楽しいこともそれぞれあって、自分のなかで経験が蓄積されることで、すごく成長できています。海外事業の業務を遂行する1番の魅力は、お金で買えない経験ができることだと思います。
直営店の立ち上げや
欧米での事業展開。
海外事業開発部の
挑戦は続く
「天丼てんや」の海外進出は着実ではあるものの、食文化の関係でフランチャイズ展開の成功が見込まれる国には限りがある。海外事業開発部では、これまで蓄積されたノウハウを活かし、海外オリジナルブランドも視野に入れた直営店の立ち上げや欧米などアジア以外の地域への進出など新たな取り組みに力を入れている。
藤岡
フランチャイズ展開は日本にあるブランドを基本にしているため、現地で受け入れられるよう調整しつつも、極力ブランドの本質は守らなければいけません。
今後直営事業展開に注力するにあたり、今ある日本のブランドをそのまま展開するだけではなく、現地の消費者に支持される新たなブランドをつくるのも方法の1つだと考えています。70年以上にわたりロイヤルが築いてきたノウハウやコンセプトを持っていき、現地のパートナーさんと協力し合いながら現地マーケットに適したいろいろなやり方に挑戦していくのが良いと思っています。
近い将来、直営のために現地法人を設立するケースが増え、それに伴い現地に派遣する人数も格段に増える見込みです。また、これまでアジアが中心でしたが、欧米など幅広いエリアを視野に入れて現地調査を実施しています。
劉
今後の目標は、さらに会社に貢献できる人材になることです。悩みを抱えていた時にロイヤルグループの基本理念である「サービス・販売は、お客様の心を楽しませ、社会を明るくするものでなければならない」という言葉がすごく心に響いて、それから会社のことがどんどん好きになりました。貢献できる人材になるために、まずは語学や管理職に必要なスキルを磨いていきたいです。
学生へのメッセージ
藤岡
海外事業開発部では、海外展開のさらなる拡大を見込み、新入社員を含め積極的に人材を登用しています。海外ではいろいろなことを自分で解決しなければいけないので、オープンマインドで挑戦すれば、大きな成長につながるはずです。事業責任者としてみなさんが思い切ってチャレンジできる舞台をたくさん用意できるよう取り組みますので、ぜひ一緒に頑張りましょう。
劉
就職先を選ぶ際に、経営理念が自分の考えとマッチするかは非常に重要なポイントです。私は業務を遂行する上で判断に迷った時は、ロイヤルグループの基本理念を思い出しています。自分の考えと会社の理念がマッチしないと判断に迷ったり、恐らく辛い思いをするので、ぜひいろいろな企業の理念に触れてください。